東京オペラシティアートギャラリーでは、2024年12月17日(火)まで「松谷武判 Takesada Matsutani」が開催されています。
松谷武判氏(1937-)は、60 年を越える活動を通して、物質が示す表情や肌理(きめ)、存在感と生命の波動、流動を交錯させる優れた制作を続けてきました。1960 年代前半に当時の新素材であるビニール系接着剤(ボンド)を使って有機的フォルムを生み出すレリーフ状の作品で 具体美術協会* の第2世代の俊英として名を馳せ、1966 年に渡仏。パリを拠点に、当時現代アートの最前線であった版画の領域で新たな取り組みを開始します。平面メディアにおける空間性と時間性の探求から、やがて表現は幾何学的であると同時に有機的なフォルムと鮮烈な色彩を特徴とするハードエッジの表現に移行。1970 年代後半からは紙と鉛筆という身近な素材を用いて制作行為の始原へと溯行し、黒のストロークで画面を塗り込めて生命的な時間を胚胎させる表現を確立。ボンドによる有機的な造形にも改めて取り組み、そこに鉛筆の黒を重ねた作品で新境地を拓きます。作品は建築を取り込んだインスタレーションの形をとることも多くなり、同時にパフォーマンスでも独自の個性を発揮します。現在もパリを拠点に旺盛な制作を続ける松谷は、2017 年のヴェネチア・ビエンナーレ、2019 年のパリ、ポンピドゥー・センターでの回顧展など、改めて国際的な評価を高めています。近年はひとつの手法や表現にとらわれることなく、その制作はますます自由で大らか、大胆にして密やかな繊細さをたたえて進行しています。さまざまな物質が示す表情に生身の身体と五感で対峙することで生み出される松谷武判氏の作品、その豊かな多様性は、見るものに語りかけてやみません。
本展は、最新の調査に基づいて構成される初期から最新作を含む作品、資料、映像など 200 点以上によって松谷武判氏の全貌が紹介されています。(*具体美術協会:1950-70年代に戦後日本の前衛芸術を牽引した芸術家集団。その先駆性は世界的な評価と注目を集めている。)
公式ホームページ ▶https://www.operacity.jp/ag/
松谷武判 Takesada Matsutani
2024年10月3日(木)~12月17日(火)
11:00~19:00(入場は18:30まで)
月曜日(祝休日の場合は翌火曜日)
東京オペラシティ アートギャラリー
(東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー3F)
●一般 1600[1400]円 ●大学・高校生 1000[800]円 ●中学生以下無料
*同時開催「抽象の小径|収蔵品展 081 寺田コレクションより」、「project N 96 ナカバヤシアリサ」の入場料を含みます。
*[ ]内は各種割引料金。
*障害者手帳等をお持ちの方および付添 1 名は無料。
*割引の併用および入場料の払い戻しはできません。
公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
日本生命保険相互会社
相互物産株式会社、ハウザー&ワース
芦屋市立美術博物館
東京オペラシティ アートギャラリー
050-5541-8600 (ハローダイヤル)
●京王新線 初台駅東口下車 徒歩5分以内
こちらより詳細をご覧いただけます。 ▶https://www.operacity.jp/ag/access/
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